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<うつ病>

目次

はじめに

T.症状

1.抑うつ気分
2. 意欲面の障害
3.思考面の障害
4.自殺
5.その他の精神症状
6.身体症状
*-1家族は精神論が多い
*-2再発、再燃について
U.疫学
V.診断

W.治療
1.病気の説明
2.治療方針の説明
3.精神療法
4.環境調整
5.薬物療法
6..その他

うつ病

はじめに

うつ病では一般に午前中に調子が悪くなり、体がだるくなり、何もやる気がでなくなる。普段何気なくしていることが出来なくなる。新聞やテレビさえも見る気力がなくなり、さらに悪化すると会社や学校にも行けなくなる。

また、早朝覚醒といい、朝早く目が覚めるのも特徴の一つである。たとえ仕事に行ったとしても集中力がなく、イライラしたり、判断力も低下してしまう。いつもの能力の半分も発揮できなくなる。夕方ぐらいからは多少調子が戻ってくることもあるが、食欲はあまりなく、夜もなかなか寝付けない。これらがひどくなると、人にも会いたがらず、寝てばかりで外出する気力もなくなる。

悲観的になり自殺を考えることもある。一般にはあまり知られていないが、うつ病では身体症状が中心となることもある。頭痛、肩こり、腰痛、胸痛、眼痛、背部痛、足のしびれ等訴えは様々である。当然この様な場合は精神科を訪れずに患者さんは内科などを受診する。しかし様々な検査を行っても異常が認められず、医師も患者も困ってしまうことがある。

検査で異常がない場合には症状の裏にうつ病が潜んでいる場合もある。

初診時、外来で「今日はどうしたのですか?」と尋ねると
「うつだと思うんです」と答える方 が多い。さて、うつとはいかなるものなのだろうか。難しい専門書は多いが、ここではなるべくわかりやすく解説してみたい。

近年、うつ病が増えている。現在、世界にうつ病患者は3億4000万人いるといわれている。疾患の重症度を死亡率によって評価するのではなく、障害も含めて評価するWHO、世界銀行、ハーバード大学の3機関によるGlobal Burden of Diseaseのランキングにおいて2020年には第2位にうつ病は位置すると予測されている。ちなみに、1990年の時点で第4位であった。このように今日増加傾向にあるうつ病について解説する。
T.症状

1.抑うつ気分:気分がめいる、沈む、ゆううつ。高齢者では苦悶感、焦燥感
日内変動を伴うことが多い(morning depression)。

2.意欲行動面・精神運動抑制:億劫、やる気がでない、気力がわかない、日内変動あり。

3.思考面の障害:思考が渋滞、決断力低下、迷いやすい、自責的、自己卑下。罪業妄想、心気妄想、貧困妄想、幻覚・妄想、幻覚はまれ。

4.自殺:うつ病の15%が自殺すると言われる。

5.その他の精神症状:焦燥感、不安感(高齢者)、離人感、強迫症状。

6.身体症状:不眠(早朝覚醒、中途覚醒)、食欲低下、体重減少、頭痛、日内変動。

1.抑うつ気分:「落ち込む」「気がめいる」「ゆううつになる」「気分が晴々しない」といった症状のことである。若い人であれば「へこんだ」ということになる。しかし誰でも生活していれば落ち込むことはある。
私だって普段、平静を装っているが、時々落ち込んでいる。

一昨年、勤務先の病院でボーナスが減給された時は本当に落ち込んだ。なぜ私のボーナスが減らされるのだろうか。院長に能力がないと見なされたのだろうか?気づかぬうちに、なにかへまをしでかしたのか?それとも院長が私を嫌いなのか?と色々考えを巡らせたりした。それでも、2,3日すれば「まー病院も経営が大変なんだろう」と自分によい解釈をして忘れてしまった。

このような自然の「落ち込み」と、うつ病の「落ち込み」とはいったいどこが違うのだろうか。アメリカ精神医学界の診断基準であるDSM-Vではうつ病の「落ち込み」は持続時間が2週間以上持続することを条件としてあげている。それでは、2週間続けばうつ病なのか?

「彼女に振られて2週間落ち込んで、飯も喉を通りませんが、僕はうつ病でしょうか」と外来を受診した青年がいる。「誰でもふられれば落ち込みますよ」と答えると、その青年は「僕のはただの落ち込みじゃないんです。命がけの恋でしたからもう生きていけない」と猛烈に反論した。

勿論うつ病ではない。「恋の病」ではあるが、健康保険の適応にはならない。実はこのようなことで外来を訪れる患者さんも結構多い。つまり期間が単純に2週間継続したから即「うつ病」とは診断できないのであり、これから述べる様々な症状と合わせて判断をすることになる。

2. 意欲面の障害:やる気がでないことである。頭が働かなくなる。頭だけでなく体の動きもスローモーション、緩慢になる。よく患者さんは「バカになったみたいだ」と訴える。その結果「興味・喜びの喪失」を生じる。これまで楽しめた趣味などに、興味や関心を示せなくなるのである。

たとえば、将棋が大好きで毎日将棋なら何時間でも集中してできた人がうつ病になると全く見向きもしなくなってしまう。

これは、私が患者さんによくする質問であるが「休日はどうすごしてますか?気晴らしにどこかに行ったりしていますか」

すると、「休日も家にずっといます。外には出たくありません。」と答えるのがうつ病の方である。一方、「ええ、なるべく家にこもらないように気をつけています。先週もバイクで横浜まで飛ばしてきました。友人と一緒だと気分も晴れます。今週も行く予定です。でも日曜の夜になるとどうも気分が優れないんです。明日会社かと思うとゆううつで仕方がなくなります。夜も眠れなくなります。」と答える方もいる。

会社関係にストレスがあるようである。この場合はうつ病とは呼べない。このような例はストレス反応・適応障害などが疑われる。

つまり、好きなことができるかどうか?これはうつ病診断のキーワードになる。

3.思考面の障害:考えが前に進まなくなり、決断力が低下し、些細なことで迷いやすくなる。また、自信を失い、自分を責めるようになる。
<思考の渋滞、決断力低下、迷いやすさ>
たとえば、スーパーに買い物に行って、今晩のおかず何にしようかと考えただけで、考えが固まってしまう。何が良いのか決断できないのだ。牛肉を買いに行ったとしよう。100グラム600円にしようか900円にしようか?やめて豚肉の方がいいのか?いや鶏肉か?もう決められなくなってしまうのである。

<罪業的・自責的>
「取り返しのつかないことをしてしまった」と考えることも多い。「昔、家庭教師を大学生のころやっていたが税務署に届けるのを怠ってしまった」「これが世間に公表されたら私は生きていけない」。「罪を犯したのでいずれ警察に逮捕される。そうしたら家族一同路頭に迷う羽目になる。死んでお詫びするしかない」等と大袈裟に考えてしまうのである・・・罪業妄想

<心気的>
「先生、わたし本当はエイズなんでしょ?本当の病名を教えて下さい。不治の病でもうたすからないのでしょ。ここ触って下さい。リンパ腺が腫れていないですか」とあたかも難病にかかったように悩んでしまう場合もある。・・・心気妄想

<貧困妄想>
「家にお金がないので入院費が払えないから入院できません」とつぶやいた。「何をいってるのお父さん。入院費ぐらいいくらでも払えますよ。全く問題ないじゃない。先生本当にお金のことは問題ありませんから」とびっくりした様子で家族一同驚いて顔を見合わせた。

いくら本人を説得しようとしても頑として拒否をする。また、入院した後、食事に全く手をつけようとしないので「どうして食べないのか」と尋ねると「食べると食事代がかかるから食べません」と答えたりする。・・・貧困妄想である

このように、罪業妄想・心気妄想・貧困妄想などうつ病でも重症になると妄想を呈することがあるのだ。ただし、これらの妄想はうつの気分に一致した妄想であり、突飛な妄想ではない。うつ病が治れば当然妄想も消失するので安心していただきたい。

4.自殺:うつ病で怖いのはなんといっても自殺である。特に少し元気になってきた時が一番危ない。重症な時は動くのも大変で自殺できないが、良くなる途中、元気が少し出てきた時に衝動的に自殺を行う場合がある。

5.その他の精神症状
焦燥感:イライラしてどうにもこうにもじっとしていられなくなることもある。不安焦燥感がこうじて攻撃的になり落ち着かなくなる。激越うつ病などと呼ばれる。

強迫症状:強迫症状とは頭ではばかばかしいと思っているのだが辞められず、手を何度も洗ったりする(洗浄強迫)。あるいは、鍵を何時間にもわたって確認したり火の元、やガスの元栓の確認を何度もしてしまう。

6.身体症状:不眠(早朝覚醒、中途覚醒)、食欲低下、体重減少、頭痛、日内変動。
不 眠:寝付けない、途中で目が覚める、朝早く目が覚める、寝た気がしない、の4パターンである。

実は うつ病の方の多くは「あの〜眠れないだけなんですけど」と言って外来を受診する。

食欲低下:たいていの場合食べられなくなるが、季節性うつ病の場合などは過食もある。食欲低下では体重低下を伴う。
「全く食べられないのです。喉を通らない。無理にでも食べようと思うのですが、吐いてしまいます。水分すらあまり摂れません。とにかく食べたくありません。ここ3ヶ月で8キロ体重が落ちました。」このような訴えは良く耳にする。

日内変動:日内変動はうつ病の一つの特徴である。
多くの場合、午前中に症状が重く、夕方から夜にかけては楽になる傾向がある。こういった症状の変化を日内変動と呼ぶ。

身体症状
また、一般にはあまり知られてないが、うつ病では身体症状が中心となることもある。頭痛、息苦しさ、動悸、肩こり、腰痛、胸痛、眼痛、背部痛、足のしびれ、喉のつかえ、便秘等訴えは様々である。当然のことながら、この様な場合、患者さんは精神科を訪れずに内科などを受診する。

しかし様々な検査を行っても異常が認められず、医師も患者も困ってしまうことがある。検査で異常がない場合には症状の裏にうつ病が潜んでいる場合もある。

「とにかくお腰が痛いのです。歩けないのが一番つらいです。お腰さえ良くなればね。私しは何ともないんですよ」と前かがみで腰を押さえてやってきたのは68歳、主婦。やせ気味、白髪混じり、服装はベージュのセーターに茶色のスカートをはき、生真面目な印象の女性である。

「どこのお医者に行っても問題はないっておっしゃるのですよ。今日、整形外科の先生が整形的には少々ヘルニアはあるが、歩けなくなるほどじゃない。精神科に行ってみたらそうだろうかとおっしゃるもので参りました。あのお医者様少し失礼なんですよ。だって私の精神はいたって正常なのに」と頭を人差し指で指しながら話した。

確かに椎間板ヘルニアはあるが、一日中寝込むほどの症状ではないと整形外科の医師からの紹介状には書いてあった。夫によれば、それまではきれい好きで一日中家の掃除をしていたため、いつも家はピッカピッカだったが、今では埃が舞い、料理も出来合のものを買ってきていると言う。

本人にとっては不本意であったのだが、抗うつ薬を少量より投与開始した。6週間経過したころから、腰の痛みが軽くなり日中起きて過ごすようになった。抗うつ薬を増量しさらに6週間経過した頃には家の掃除も今までと同じようにこなせるようになった。腰はと言えば、やはり少し痛いと言う。しかし、今では寝込むようなことはない。

お気づきだと思うがこの女性はうつ病である。

*-1家族は精神論が多い
多くの人がうつ病の症状を「気の持ちよう」と精神論でとらえようとするきらいがある。特に、身近な方が患者の場合がそうだ。

「お母さんだってつらいことは今までたくさんあったわよ。あなたよりよっぽど大変だったんだから。でもそんなのは当たり前なのよ。生きていれば大変なことだってあるんだから。あなたは昔から精神的に弱い面があったわね。確かに今の時代ストレスが多いわね。それはお母さんもわかっているのよ。でも負けちゃダメよ!乗り越えないとダメなのよ人生とはそう言うものよ。」

「明日から早起きして、ちゃんとした生活に切り替えましょう。遅く起きてだらだらしていたら誰だってみんなうつ病になっちゃうわよ。気持ちで乗り切りましょうね。あなたみたいに薬なんかに頼っていたら人生終わりよ。しかっりしなさいよ。」

これはよく聞く母からうつ病の娘への言葉である。お母さんの気持ちはよくわかるが、うつ病患者には最もきつい言葉である。


今日ではうつ病の症状は、セロトニンやノルアドレナリンなどの脳内の神経伝達物質の働きが不十分となっているために生じると考えられている。治ればがんばらなくとも普通に毎日が送れるはずである。

*-2再発、再燃についてさて、うつ病、もしも、治療を受けなかったらどうなるのだろうか?
たとえ治療を受けなくとも、通常6〜12,24ヶ月間症状が続いた後に自然に回復する。この期間を薬物療法によりで3-6ヶ月に短縮できるのである。逆に、十分に治療されていたとしても、約20%は数ヶ月から数年間、症状が持続してしまう。このようなうつ病はいわゆる難治性あるいは遷延性うつ病と呼ばれている。

うつ病の再発は?
初めてうつ病になって治ったとする。その後の再発率は50%である。

私は、初めてうつ病を発症した方が一旦寛解した場合、良い状態が半年継続したらば、患者さんの希望があれば一旦抗うつ薬は中止するようにしている。その後は変調があった場合はすぐに受診してもらうようにしている。この患者さんが再発する確率は50%なのに何年もの間抗うつ薬を服用させるわけには行かない。

さて、2回目のうつのエピソードの場合は寛解後の再発率はで70%である。70%以上あれば抗うつ薬を継続する必要があるのではないだろうか。しばらくの間は継続するようにしている。
ちなみに、3回では90%である。

U.疫学
うつ病の生涯有病率は15%で女性では4人に1人の25%とありふれた疾患といえる。そのうち実際に治療を受けるのは1/3から1/10であり、まさに氷山の一角といえる。
初発年齢は平均25歳(20歳〜40歳)と若く、女性が2倍多い。出産後6ヶ月は危険率が増加する。また、遺伝による影響はあり、家族にうつ病の人がいると1.5〜3倍の発症となる。


ライフイベント、すなわち死別、重症身体疾患、虐待はうつ病に対する脆弱性を増す。

V.診断

DSM-Wの大うつ病エピソード診断に用いられる症状
@抑うつ気分
A興味・喜びの喪失
B体重減少(1ヵ月で体重の5%以上の変化)、または食欲減退
C不眠
D焦燥または制止
E易疲労性または気力の減退
F無価値感または罪責感
G思考力、集中力の減退または決断困難
H死について考える
以上のうち、@Aのいずれかがあって、その他4項目がほとんど毎日存在する場合に該当する

W.治療
1.病気の説明
うつ病は病気であって、さぼったり単に疲れているわけではないことを明確にする必要がある。現在の症状は明らかに疾患によるものであり、治療すれば治ることを告げる。これらの説明は治療開始時には当然説明する必要があるが、治療の途中でも何度となく繰り返し告げる必要がある。本人だけでなく家族にも理解してもらうことは極めて重要なことである。

心身ともにエネルギーが低下した状態・・「車にたとえれば、いくらアクセルをふかしてもエンジンの回転数が上がらない状態・・・脳の神経と神経の間の情報伝達が悪くなっている状態である。」

実際にはこのように説明しても一度ではなかなか理解は深まらないことが多い。何度も繰り返すことにより疾患に対する理解が深まる。家族に理解されることは患者にとっては本当に支えになることなのである。

2.治療方針の説明
治療は原則として、薬物治療、休養、精神療法、環境調整の4点であることを説明する。休養:「休養して下さい」と言ってもなかなか難しいものである。特に、うつ病の方にとっては難しいようである。それは、本来勤勉で、まじめな方がうつ病になりやすい点、また症状の項目に記述したように「申し訳ない・まわりに迷惑をかけている」と自責的になりやすい点がその理由としてあげられる。

「休養することが治療になるのです」「今までよりペースを落として過ごして下さい」と薦めている。

休養はいつまで続けたらいいか?

休養の期間は、患者さんが「退屈になってきました」などと時間を持て余すようになったら、そこが一つの目安になる。


3.精神療法
以下は笠原嘉ほか編:感情障害-基礎と臨床-, 朝倉書店よりの引用である。

1)感情障害という「病気」であって単なる怠けでないことを本人ならびに家人に告げる。
2)急性期にはできる限り精神的休息をとるよう指示する。特に発病まもないとき、できるだけ早く休息に入るのが有効なことを告げる。
3)薬物が治療上必要である理由を説明し、無断で服用を中止しないよう求める。
4)次第に精神的な苦痛は減っていくが完治には短くても3ヵ月、時には6ヵ月はかかることをあらかじめ告げる。
5)治療中一進一退のありうることを告げる。したがって、治療途中で悪化するようなことがあっても悲観しないように、また特に終末期には理由のない短い気分動揺のあることを告げておく。
6)治療中自殺などの自己破壊的行為をしないことを誓約させる。
7)治療が終了するまで人生上の重大な決断(たとえば自信がないという理由で退職するなど)をしないよう薦める。
その他、認知行動療法などが有効である。

4.環境調整:慢性的ストレスがかかっていてはいくら薬物を服用していてもなかなか回復しない。そのため、職場、家族、などにうつ病について理解を深めていただきストレスを軽減することは重要である。

サラリーマンのうつ病がなかなかよくならないのは会社に行きながら外来で治療を行っているため常にストレスを感じざるを得ないからである。たとえ休職してまとまった休みが取れたとしても電話が一本会社からかかってきただけで調子を崩すこともある。

ここに典型的な例を挙げてみた。うつ病にて休養中の○○さんへの上司からの電話である。

「○○さん、君の手がけていたプロジェクトだけどね、部下の鈴木君に任せることにしたから、簡単に申し送っておいてくれないか。どうだい、少しは骨休めになったかね」

「 職場の連中はみんな君の復帰を心待ちにしているから、十分に休養をとって完全に治してくれよ。そして、また元気になってばりばり働いてもらわんとな。それまでは鈴木君になんとか頑張ってもらうから○○君は心配することないからな」

「 それから悪いが、一日だけ会社に出てきてくれないか。君じゃないと解らんことがあるみたいで、鈴木君も色々困っているみたいだから。一日だけで良いからな。後はゆっくり休んでくれ。無理はいかんからな。じゃ頑張って治してくれ」

上司は悪気はないのかもしれないが、こんな電話がかかってきたらせっかく良くなりかけていても後戻りしてしまうのである。

5.薬物療法
薬に抵抗がある患者も多いため、十分な説明が必要である。

実際に「えっ!薬飲むんですか?怖いですね」「他に手段はないんですか?」「薬ってずっと飲むんですよね」「それ癖になりませんか?」「やめられなくなるのではないですか?」「副作用。怖いですね」「薬に頼るの嫌なのです」「薬漬けですか」「親が薬に頼るのは良くないって言われています」「本に抗うつ薬の副作用が書いてありましたが怖いですね」「その薬、ネットで調べましたよ。結構怖い副作用出るんですね」など頻回に耳にする反応である。「薬飲んで元気が出るのですか?」。この時点できっちりと薬物の効果・副作用について説明しないと治療は軌道に乗らない。

うつは「病気」として考えられている。そのため本人の努力や・気の持ちようでは限界があるのだ。そのため、現在の医療では抗うつ薬の服用がファーストチョイスとして選択されている。完全に良くなってからも服用を完全にやめるまでには、半年〜1年以上は継続することが推奨されている。
これまでお話ししてきたようにうつ病の治療には抗うつ薬が主に投与される。抗うつ薬は、近年目覚しい進歩をとげた。最初に開発された三環系抗うつ薬・その後開発された四環系と呼ばれる抗うつ薬から、研究開発が重ねられ、現在では副作用が少ないSSRI・SNRIというタイプの抗うつ薬がよく用いられている。
これは私の主観だが、場合によっては三環系抗うつ薬や四環系抗うつ薬やスルピリドがより適している場合もある。いずれの場合も抗うつ薬は少なくとも2〜6週間の後効果が現れる。そのため、回復までには数ヶ月かかることが多く、長い人ではそれ以上かかることもある。

軽症あるいは中等症のうつ病
軽症・中等症のうつ病に対する抗うつ薬の第一選択薬はSSRIあるいはSNRIである。効果があらわれるまで少なくとも2週間程度を要するため、その間の不安や焦燥に対処するために、ベンゾジアゼピン系抗不安薬を併用することもある。

SSRI、SNRIは消化器系の副作用が多いため、初期用量を抑えるか、制吐作用のある薬剤を併用する。

重症うつ病
精神病症状を伴わない場合
精神病症状を伴わない重症うつ病の場合は第一選択はTCA、non-TCA、SSRI、SNRIのうちから選択するか、ECTを行う。

精神病症状を伴う場合
基本的には抗うつ薬と抗精神病薬の併用を行う。抗精神病薬は従来はハロペリドールが中心であったが、副作用を避ける意味で、非定型抗精神病薬が使用されことが多い。

SSRIの中止後発現症状(discontinuation syndrome)
SSRIなどの服用を突然中断したときにおこる症状に注意する。中止するときはゆっくり時間をかけて漸減することが大切である。

1.消化器症状嘔気
2.全身症状疲労感、頭痛、発汗、筋肉痛などインフルエンザ様症状
3.精神症状不安、焦燥、筋緊張、神経過敏、抑うつ、イライラ感
4.睡眠障害不眠、生々しい夢
5.運動障害不安定歩行、口や舌の異常運動、アカシジア
6.その他めまい(クラクラする)、異常知覚(ヒリヒリ感、焼けるような、電気でビリビリした感じ)

一般名

三環系抗うつ薬
イミプラミン
アミトリプチリン
トリミプラミン
ノルトリプチリン
クロミプラミン
ロフェプラミン
アモキサピン
ドスレピン
四環系抗うつ剤 マプロチリン
ミアンセリン
セチプチリン
その他の抗うつ薬

トラゾドン
スルピリド
SSRI
パロキセチン
フルボキサミン
セルトラリン
SNRI
ミルナシプラン
デュロキセチン

 

 

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